バイオグラフィー
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生年月日
1952年 6月 6日
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出身地
Meguro, Tokyo, 日本
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没年
2023年 1月 11日 (享年 70 歳)
高橋 幸宏(たかはし ゆきひろ、1952年 6月 6日 - 2023年 1月11日)は日本のミュージシャン。
シンガーソングライターであると同時に、ドラマー、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーとして活動している。またファッションデザイナー、文筆家としての顔も持つ。立教高校卒業、武蔵野美術大学中退。ソロデビューした1978年から1980年までは、「高橋ユキヒロ」とカタカナ表記の名前を名乗っていた。
高校在学中からスタジオミュージシャンとして活動。自身のキャリアとしては、「 サディスティック・ミカ・バンド」や「 Yellow Magic Orchestra(YMO)」のメンバーとして活躍したことで広く知られている。その他、鈴木慶一とともに結成した「 The Beatniks」、細野晴臣との「 Sketch Show」としての活動をはじめ、様々なミュージシャンとのコラボレーションや、プロデュースも手掛けている。山本耀司のパリ・コレ出展の際の音楽を担当したり、椎名誠の映画の音楽監督を務めたこともある。近年は自身の体調などの関係から、披露される機会が少なくなったが、本職はドラマーである。その独特のタイトな演奏は、特にYMO世代のミュージシャン達から高くリスペクトされている。
音楽活動の他に、これまでに「Bricks」、「Bricks Mono」、「YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION」といった自身のファッションブランドのデザイナーも務めている。1983年には『オールナイトニッポン』のパーソナリティを務めた。その他、映画やCMへの出演、エッセイの発表など、その活動は実に多岐に渡っている。俳優の竹中直人と交流が深く、『竹中直人の恋のバカンス』、『デカメロン』などに出演した際にはシュールなコントに挑戦している。
趣味はもっぱら釣り。神経症の治療のために始めたものだが、以来すっかり夢中になってしまい、ラジオ番組で中継を行ったことすらある。釣り同好会「東京鶴亀フィッシングクラブ」(旧・東京鶴亀磯釣り会)の会長である。
兄は元ザ・フィンガーズで音楽プロデューサーの高橋信之、姉は日本のファッション界における広報の第一人者である伊藤美恵。ファッションブランド「soe」のデザイナー伊藤壮一郎は伊藤美恵の息子、高橋の甥にあたる。近代文学研究者の高橋世織は従兄弟。
略歴
1952年東京に生まれる。小学校5年生頃にはすでにドラムを叩いていたという。立教中学時代に、同級生の東郷昌和と「ブッダズ・ナルシィーシィー」というバンドを結成し、主にパーティー等で活動していた(後に東郷は、高橋の兄・信之のプロデュースでフォークグループ「バズ」としてデビューする)。高校在学中からスタジオミュージシャンとして活動を開始。1969年に、フォークグループ「ガロ」のバックバンドに加わる。しかし、『学生街の喫茶店』のヒット以後の歌謡曲路線に合わず、小原礼とともにガロを脱退。
武蔵野美術大学在学中の1972年、加藤和彦の誘いを受け、「サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)」に、脱退した角田ひろ(現つのだ☆ひろ)の後任として加入。ミカ・バンドは海外、とりわけイギリスにおいて評価され、アルバム『黒船』は日本のロック史に残る名盤として現在まで語られている。1974年には、ロキシー・ミュージックの全英ツアーにおいてオープニングアクトを務めた。帰国後、解散。
ミカ・バンド解散後、「サディスティックス」を経て、1978年からはソロ活動を開始。そして同年、 細野晴臣 、 坂本龍一とともに、「 Yellow Magic Orchestra(YMO)」を結成。1979年から1980年にかけて、2度にわたるワールドツアーを敢行した。YMOは世界的な大成功を収め、日本のみならず世界の音楽シーンに多大な影響を与えた。高橋の作曲としては「ライディーン」があまりにも有名(坂本龍一が論理的な作曲法を用いるのに対して、高橋幸宏はこの曲を鼻歌から作った、と言う事はつとに知られている話である)。結成当初、YMOのメンバーはボーカルを取らない(ゲストミュージシャンに任せる)という意向を細野は持っていたが、坂本の推挽で高橋が「中国女」のボーカルを手がけたことにより、ボーカリストとしての才能も発揮。またファッションデザインの才も発揮して衣装のデザインも手掛けていた(高橋は当時、自身のブランド「Bricks Mono」のデザイナーだった。YMO結成前、当時の坂本龍一のぞんざいな服装を見た高橋が「君はちゃんとした服装をすれば格好よく見えるのに」と服を大量に用意してコーディネートした、という逸話がある)。ソロやYMOの活動の一方で、1981年には鈴木慶一とともに「 The Beatniks 」を結成し、活動を開始する。1983年には「オールナイトニッポン」のパーソナリティを担当した。同年、YMOは「散開」(解散)。
YMO散開以降、ソロ活動を本格化させ、また「ビートニクス」としてもマイペースに活動。1989年には「サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mica Band)」が桐島かれんを迎えて一時再結成。1992年3月には、山本耀司、高橋信之、田中信一と共に、「アゲントコンシピオ」を設立。翌1993年には、録音スタジオ「CONSIPIO STUDIO」とレコードレーベル「CONSIPIO RECORDS」を発足。97年には自らも「CONSIPIO RECORDS」に移籍したが、現在は休眠状態である。1993年にはYMO「再生」(再結成)。アルバムを発表し、東京ドームにてコンサートを行う。
2002年からは、細野晴臣と共にYMO以来のユニット「 Sketch Show」を結成、活動を開始する。2004年にはスケッチ・ショウ+坂本龍一のユニット「ヒューマン・オーディオ・スポンジ(HAS)」として、エレクトロニカイベント「sonar」に出演。
2005年には再び東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)と契約、翌2006年3月に7年ぶりのソロアルバム「BLUE MOON BLUE」をリリース。スケッチ・ショウで実践したエレクトロニカの手法を通過させた新機軸のポップ路線を展開した。アルバム発表後は高野寛、高田漣、権藤知彦を主要メンバーに迎え、ライブハウスからロックフェスまで、各地でライブを精力的にこなした。10月には恵比寿ガーデンホールで開催された「SONAR」への出演を交えながら、新宿ICC、仙台メディアテーク、東京都現代美術館の3箇所で「ミュージアムツアー」と称したライブを行い、インプロヴィゼーション中心のクオリティの高い演奏を披露、新たなる次への展開をうかがわせた。
また2006年、キリンラガービールのテレビCMとの連動企画で、「サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mikaela Band)」が 木村カエラをボーカルに迎えて二度目の再結成。10月にはアルバムをリリースした。同じく2007年には同CMの企画でYMOがこれも二度目の再結成。CMでは「ライディーン」のセルフカバー版「RYDEEN 79/07」を披露し、同時にネット配信を開始。5月にはチャリティ団体「Smile Together Project」主催のライブに(HASとして)出演、また7月には「ライブ・アース」に出演した。
2008年、新バンド pupa を、 原田知世、 高野寛、 高田漣、 権藤知彦、 堀江博久と共に結成。 pupaは2008年と2010年にアルバムをリリースした。
2014年、新ユニット「 高橋幸宏&METAFIVE」を、 小山田圭吾、 砂原良徳、 TOWA TEI、 ゴンドウトモヒコ、 LEO今井と共に結成。同年7月27日にLIVEアルバム「TECHNO RECITAL」リリース。2015年より高橋幸宏&METAFIVEを METAFIVEに改める。
2022年 6月6日、古希(70歳)を迎え、また、プロ活動50周年という節目の年であることを祝い、それを記念するライブ「高橋幸宏 50周年記念ライヴ LOVE TOGETHER 愛こそすべて」を、2022年9月18日にNHKホールにて行う予定であることを発表、しかし体調面から高橋は出演を見合わせることになった。
2023年 1月11日、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎のため長野県軽井沢で死去。70歳没。
活動実績
音楽プロデュース
竹中直人、安田成美、高野寛、山下久美子、中原理恵、シーナ&ザ・ロケッツ、立花ハジメ、ピンクレディー、門あさ美、SMOOTH ACE、NOKKO、桐島かれん、TOKIO、EBIなど。
作詞・作曲
桜田淳子、竹内まりや、田原俊彦、高岡早紀、浅香唯、小坂一也、藤真利子、堀ちえみ、ピエールバルー、高井麻巳子、杉本彩、サンディー&サンセッツ、宮本典子(現mimi)、伊藤つかさ、ザ・ベンチャーズ、冨田ラボなど提供作品多数。
演奏参加
BUZZ、山下達郎、荒井由実、矢沢永吉、太田裕美、キャンディーズ、浅野ゆう子、山口百恵、桑名正博、草刈正雄、岩崎宏美、オフコース、泉谷しげる、加藤和彦、矢野顕子、大貫妙子、八神純子、ビル・ネルソン、アグネス・チャン、堀ちえみ、海援隊、来生たかお、浜田省吾、南佳孝、鈴木茂、ブレッド&バター、Zaine Griff、郷ひろみ、松井常松、テイ・トウワ、東京スカパラダイスオーケストラ、EPO、山本達彦、渡辺香津美、高中正義など多数の作品に参加(ドラムをはじめ、キーボード、コーラスなど)。
その他
山本耀司のパリ・コレクション出展用の音楽を制作、椎名誠監督映画『ガクの冒険』では音楽監督を務めた。
ソロ・ディスコグラフィ
* サラヴァ! - Saravah!(1978年)
* 音楽殺人 - Murdered by the Music(1980年)
* ニウロマンティック(ロマン神経症) - Neuromantic(1981年)
* ボク、大丈夫! - What, Me Worry?(1982年)
* 薔薇色の明日 - Tomorrow's Just Another Day(1983年)
* タイム・アンド・プレイス - tIME & pLACE(1984年、ライブ)
* ワイルド・アンド・ムーディー - Wild & Moody(1984年)
* 四月の魚 - Poisson D'avril(1985年、サウンドトラック)
* ザ・ブランニュー・デイ - The Brand New Day(1985年、ベスト)
* 遥かなる想い - Once A Fool,…(1985年)
* オンリー・ホェン・アイ・ラフ - …Only When I Laugh(1986年)
* EGO(1988年)
* ブロードキャスト・フロム・ヘヴン - Broadcast From Heaven(1990年)
* ア・デイ・イン・ザ・ネクスト・ライフ - A Day In The Next Life(1991年)
* ア・ナイト・イン・ザ・ネクスト・ライフ - A Night In The Next Life(1991年、ライブ)
* ガクの冒険(1991年、サウンドトラック)
* うみ・そら・さんごのいいつたえ(1992年、サウンドトラック)
* 幸福の調子 - Lifetime, Happy Time(1992年)
* ハート・オブ・ハート - Heart of Hurt(1993年、セルフカバー)
* あひるのうたがきこえてくるよ(1993年、サウンドトラック)
* MR.YT(1994年)
* アイム・ノット・イン・ラヴ - I'm Not In Love(1995年、ベスト)
* フェイト・オブ・ゴールド - Fate of Gold(1995年)
* しずかなあやしい午後に(1996年、サウンドトラック)
* ポートレイト・ウィズ・ノー・ネーム - Portrait With No Name(1996年)
* The Show vol.6 Yohji Yamamoto Collection Music(1996年、サウンドトラック)
* ア・サイ・オブ・ゴースト - A Sigh of Ghost(1997年)
* ア・レイ・オブ・ホープ - A Ray of Hope(1998年)
* ラン・アフター・ユー - Run After You Yukihiro Takahashi Live 1998(1998年、ライブ)
* カラーズ vol.1 - colors (best of yt cover tracks vol.1)(1999年、ベスト)
* カラーズ vol.2 - colors (best of yt cover tracks vol.2)(1999年、ベスト)
* ザ・ディアレスト・フール - The Dearest Fool(1999年)
* ア・ドッグ・スマイルド - A Dog Smiled(2002年、ベスト)
* ブルー・ムーン・ブルー - Blue Moon Blue(2006年)
*ページ・バイ・ページ - Page By Page (2009年)
*ライフ・アヌー - Life Anew (2013年)
*サラヴァ・サラヴァ! - Saravah Saravah! (2018年、セルフカバー)
作品を発表したレコード会社
* 東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)
* VICTOR
* KING
* ALFA
* VAP
* PONY CANYON
* AGENT CON-SIPIO
* AVEX
* COLUMBIA
出演映画
* だいじょうぶマイフレンド(1983年)
* 天国にいちばん近い島(1984年) - 桂木次郎 役
* 四月の魚(1986年) - 根本昌平 役
* 異人たちとの夏(1988年)
* 男はソレを我慢できない(2006年)
* 20世紀少年 第3章(2009年秋公開予定) - ビリー 役
ゲーム音楽
* 銀河の三人(1987年、任天堂)
* Tから始まる物語-メインテーマ(1998年、ジャレコ)
* 三国志 英傑天下に臨む(1991年、ナグザット)
著書
* 犬の生活(JICC出版局、1989年)
* ヒトデの休日(JICC出版局、1992年)
* キャッチ&リリース(写真:津留崎健、大栄出版、1997年)
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